『もっと輝くアーユルヴェーダ』Vol.07 女性の悩みとアーユルヴェーダ
すっかり春になりましたが、みなさんはご機嫌な春をおすごしでしょうか?
前回までは花粉症を代表とした春の不調に備えてきましたが、春の不調以外にも1年を通して多くの女性がいろいろな悩みを抱えています。
今回はそんな女性が抱える悩みにアーユルヴェーダのセルフケアの方法をいくつかご紹介させていたにだきます。
1.肩こり
肩こりがまったくないという人に出会ったことがありますか?
私は一人だけあります。うちの母です。肩たたきを嫌がられて子供のころは悲しかったことを覚えています。
うちの母はさておき、なかなか肩こりがないという人は少ないように感じます。
PCやスマホを使う機会が増え、昔よりも肩こりに悩む人が多くなっているのではないでしょうか。
肩こりは体の冷えや緊張、同じ姿勢を長時間とり続けることによる負担や長時間パソコンなどを見続ける眼精疲労から起こりやすいとされています。
また、ストレスや過労や不安、抑うつ感などによる精神的苦痛も筋肉の緊張を引き起こすので
肩こりの一因になります。
アーユルヴェーダでは、「ヴァータが悪化したときに硬直が起こる」と古典書に書かれており、肩こりはヴァータの異常によって発生すると考えられます。
ただ面白いのは肩こりという症状や感覚は日本人にしかないそうです。
インド人も欧米人も全く理解できないとか・・。
日本という国の国民性と関係があると現代医学でも考えられているそうです。
~日常生活の中でのセルフケア~
◎油(ゴマ油やココナッツオイルがおすすめ)を塗って両手でマッサージしたあとにシャワーではなく湯船につかり、ゆっくり入浴をして温めます。そうすることでヴァータが緩和され柔らかくなります。
◎運動不足や同じ姿勢によって引き起こされているなら、適度な運動をとりいれます。激しい運動はヴァータを悪化させるので、5~10分ほどの簡単なヨガポーズがおすすめです。また、長時間パソコンなどの画面を見続けることもやめ、目も休ませるようにします。
・鷲のポーズ
イラストは全身ですが、腕だけで十分効果があるので座りながら行ってみてください。
1. 背筋を伸ばして座り、両手を前に伸ばして肘のあたりでクロスさせる
2.指先が天井にむくように手の甲をあわせて曲げる。余裕があれば手のひらをあわせる。
3.肩が上がらないようにしながら合わせた肘を顔の高さまで持ち上げ5秒ほどキープ。
4.腕を上下入れ替えて反対側もおこなう。
◎体を冷やさないように気を付けて、冷たいものを食べるのを控え、温かいものをとりましょう。こまめに白湯を飲み、適度に油をつかった食事がおすすめです。
◎規則正しい生活を送ることを心がけ、適度にストレス発散ができるようにしましょう。
2.便秘
アーユルヴェーダでは便秘を一つの病気としてとらえています。「アーナーハ」と呼ばれ、大便が蓄積するという意味です。老廃物である大便が排泄されることなく体内に残っていることは様々な病気を引き起こす要因と考えられています。
アーユルヴェーダでは便秘を2種類に分けます。1つは便が乾燥して硬くなり出づらくなる状態で、ヴァータの乱れが原因と考えます。もう1つは、食べたものがうまく消化されず未消化物になって粘り気の多い便になる状態で、これは未消化物であるアーマの発生が原因です。
~日常生活でのセルフケア~
・ヴァータタイプの便秘
◎脂質をとるようにしましょう。温かい牛乳にギーを入れて飲むのがおすすめです。
◎冷たく乾燥したものは食べないようにします。
◎お茶の飲みすぎにも気を付けましょう。お茶の渋味はヴァータを乱します。
◎生活が不規則になりがちであれば、せめて食事の時間は規則的にしましょう。
・アーマの発生による便秘
◎動物性食品や乳製品や甘いものなどの消化に負担がかかるものを控える。
◎消化力を刺激するために積極的に香辛料をとる。生姜、胡椒、ワサビなど。前回にご紹介した、食前に生姜スライスを食べる方法がおすすめです。
◎お白湯をこまめに飲む
3.疲れやすい・疲れがとれない
すぐに疲れてしまう、しっかり寝たのに疲れが残っている、そんな症状はカパとヴァータの乱れが原因とされています。消化力も落ちるので、アーマ(未消化物)がたまりオージャスという生命エネルギーが十分に作られなくなるのです。
~セルフケア~
◎良質な睡眠をとりましょう。規則正しい時間に寝て起きるようにこころがけます。寝る前にスマホやパソコンなどをみないようにします。
◎寝ても疲れが取れないと感じるときには、朝から38℃くらいの温かいシャワーをあびてみましょう。アーユルヴェーダでも頭寒足熱という考えがあります。頭部には熱いお湯がかからないようにし、体だけ浴びるようにしてみてください。
◎ギー(非加熱のはちみつでも可)とターメリック小さじ1杯ほどを混ぜたものを1日に2回とるようにします。消化力を高め、刺激をあたえる働きがあります。
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