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ラピデム寺島のセラピストエッセイ

セラピストーンのはなし 第二回「HUKKAハーモニーストーンセラピー講習レポート」

LAPIDEMとHUKKA DESIGNのコラボレーションによるストーンセラピー講習が、2023年11月16日~18日に開催されました。

第一回目の特別な講習にあたる今回、フィンランドで40年以上セラピーワークに従事し、HUKKAセラピーストーンの「生みの親」でもあるRiitaを迎えて、カレリアンソープストーンの歴史や特性、さまざまな形のストーンを使いこなす技術など直接学ぶとても貴重な3日間でした。

【Riitaについて】

―インタビュー記事はこちら

リィッタ・コスギヴィルタ(Riitta Koskivirta)

フィンランド在住のセラピスト兼代替医療の指導者。

理学療法士であり、鍼灸・指圧師でもあり、アーユルヴェーダやタイ古式療法、レイキ、リフレクソロジーなどありとあらゆる代替療法に精通したスペシャリストです。西洋の基礎教育に東洋医学のエッセンスを融合させたユニークな手法で、セラピスト・講師として活躍しています。現在は講師の仕事がメインで、一年の初めにその年の予定が埋まってしまうほど人気の指導者です。

フィンランド以外で講習をするのは今回が初めてと話していました!

4児の母であり、6児の祖母であり、妻。HUKKAソープストーンが採掘されるカレリアン地方の湖のほとりに住んでいるそうです。

フィンランドの多くの家庭ではカレリアンソープストーンで造られた暖炉があるといいます。Riitaにとって、このストーンは生まれた時から身近にある森や湖と同じような存在だったのかもしれません。

【ストーンセラピー基礎コース】

この講習は2日間の基礎コースと、追加でもう1日、より深い知識と技術を学ぶスペシャリストコースの3日間で開催されました。

もともと、カレリアンソープストーンを使用した技術講習はLAPIDEMでもおこなっていて、人気の講習の一つでした。

―カレリアンソープストーンの魅力はこちらの記事で

これまで長い間セラピーストーンに使われてきた玄武岩が稀少になり、それに代わるストーンを求めるようにカレリアンソープストーンの問い合わせが増えたのは一昨年あたりからだったと思います。私がLAPIDEMのインストラクターになってしばらくたった頃です。

技術講習の問い合わせも徐々に増え、今年に入ってからは大げさでもなく(コロナの影響があったとはいえ)インストラクターになったころの10倍近くになりました。

HUKKA DESIGNさんから「フィンランドのストーンセラピーを日本で広めたい」とお話があったのはちょうどそんなタイミング。私たちが、2024年に始動する「LAPIDEMアカデミー」の設立を進めていたこととも重なり、とんとん拍子で「HUKKA認定」のストーンセラピー講習と、記念の第一回目にRiittaに来てもらうことが決まったのです。

HUKKAのセラピーストーンは、全て、今回の講師であるRiittaのアイデアが採用されています。

Riittaの幼馴染でHUKKA DESIGN代表のSeppo氏から「暖炉をつくるときにできるカレリアンソープストーンの端材をセラピーに使えないか?」というサスティナブルな提案がきっかけだったそうです。Riittaはこのストーンの素晴らしい特性にいち早く気づき、それからは次々にセラピーストーンのアイデアが浮かんだと言っていました。

HUKKAのセラピーストーンは本当にたくさんの種類があり、ユニークな形のものも多いですが、どれもセラピストの手に馴染みやすく、施術の効果と効率をいちばんに考えられた設計になっています。

たとえば、XL~Sサイズまで4種類あるマッサージストーンは中心部が平らに削られています。これは、お客様の体と密着する面積を広くして熱伝導の効果を高めるためです。

また、ストーンの厚みもセラピストの手によく馴染み、使いやすいよう計算してつくられています。

『いつもはマニュアルをつくったりしない』

Riittaの講習スタイルはとてもシンプルで自由。

マニュアルは手順でしかない。それよりももっと重要なことを私は話すし動くから、受講者たちはたくさんメモをして、世界中でたった一つ自分だけのオリジナルマニュアルを作るのだと。

今回も、まさに「Riittaスタイル」でした。

ひとつだけ違ったのは、日本と、これから世界各地でもおこなっていく「HUKKAハーモニーストーンセラピー」のために、Riittaの集大成としてマニュアルをつくってもらったこと。

使う石と手順が書かれた単純なものではなく、きっと講習でよく話しているだろうと思えるRiittaの技術への解釈が添えられたものです。

これだけでもとても良いマニュアルだったんですが、

講習では、マニュアルにはないストーンの使い方やオプションの技術を次から次へと披露し、教えてくれて、デモンストレーション中受講者のメモが止まらない。

「自分だけのオリジナルマニュアルをつくる」という光景をリアルタイムで目にし、真剣な熱意でRiitaの話や動きを書き留めていくセラピストさん達を見て、指導者としての学びを受けました。

もちろん、今回披露してくれたマニュアルにはない技術も、LAPIDEMアカデミーで一つの漏れもなく全てお伝えしていきます!

ひとつ、今回初めて知ったカレリアンソープストーンの特徴で驚いたことをお話します。

カレリアンソープストーンには他の石にはない魅力がたくさんあり、一度使うと手放せなくなるほどで、それについては一日中話していられる自信があります。

そんな私も、HUKKA DESIGNの大川さんもびっくりした『磁力がある』という事実!!

Riittaがそのことに気づいたのは最近で、ちょっとしたハプニングがきっかけだったそうです。

日本でいうところの“ピップエレキバン”みたいなものがストーンにくっついたとか。

実際に、講習会場のホワイトボードにくっついていたマグネットを取り、ストーンに近づけてみると簡単に付き磁力があることが証明されました!

さらに、Riittaは実験で胃が少しむかむかしていた時にみぞおちにストーンを置いて様子を見たそうです。しばらくして、胃がすーっと落ち着くのを感じげっぷが出たそう。

この作用は単に石で温める行為だけでなく、この石のもつ磁力のせいもあると信じていると話していました。

この話には、私も思い至ることがありました。

私も週に1日だけセラピストとしてお客様を施術しています。

ラピデムトウキョウスパでは、必ずホットキャビにストーンが入っていて、お客様の状態に合わせて置石をしたり敷石にしたりして温めながらトリートメントをおこなっています。

胃腸が気になるお客様には仰向け時にお臍やみぞおちを温めることが多いのですが、ただ置いていただけなのに「胃が落ち着いた」とよく言われて不思議に感じていました。

これまで玄武岩や火成岩、大理石などいろいろな石を使ってきましたが、カレリアンソープストーンの置石は、自分が感じるトリートメント中のお客様の体の変化や、お客様からのフィードバックもほかのどの石とも違う。

明確に置石の効果に「違い」を感じたのは、胸の中心、“壇中”に置石をしたとき。

最近はデスクワーク中心で肩が巻いてしまって、肋骨間が狭く“壇中”が潰されてしまっているお客様を多く見かけます。どうしても呼吸がしづらくなってしまうので、“壇中”に置石をすることも増えています。

あるとき、胸間に置石をしてしばらくするとお客様が唾を飲みこんだのが見えて、その直後に呼吸が深くなったのに気づきました。最後に置石を取り除くと、骨がこすれそうなくらい狭くなっていた胸間が広がりフラットになっていて、置石の効果に驚いたのです。

このことは別の日にRiittaも言っていて、人はリラックスすると喉が動いてその次に少し呼吸が深くなり、それを繰り返してだんだん深いリラックスに入っていく。そのリラックスのサインを見逃さないように、施術中はお客様をよく観察していると教えてくれました。

思いがけず、この講習中に最近感じていたカレリアンソープストーンの疑問と、施術中に感じたことの答えをもらった気分でした。

カレリアンソープストーンは置くだけでとてもリラックスできる。

深部まで熱を届け、長時間柔らかく保温するだけではなく、磁力で循環を促す特別な石です。

『ハートが感じていることを手にのせて伝える』

今回の講習でRiitaは何度も「Feeling」という言葉を使っていました。

どの形のストーンを使うのか?

どのくらい時間をかける(何回する)のか?

温度は?圧は?

質問にひとつづつ丁寧に答えてくれるなかで、お客様が感じることはそれぞれ違うから、と「Feeling」がとても大事と話していました。

お客様が望んでいることで自分は何をしてあげたいのか、どうしたいのか、考えて心に浮かんだことをそのまま手で表現していく。手で伝えていく。

『トリートメントはアート』

私がこの講習で一番印象に残った言葉です。

40年以上にわたるセラピストとしての経験と、豊富な知識、体への理解に裏付けされた自身の「感覚」への信頼。

そして何より、この仕事を愛し、お客様に真っ直ぐ向かうポジティブなエネルギーを感じる言葉に聞こえました。

次回、11/18におこなわれたスペシャリストコースのレポートへ続きます!

HUKKAハーモニーストーンセラピーでは12種類+1種類の様々な形のストーンを使い分けてトリートメントをおこないます。

ベーシックコースでは、12種類のストーンの特徴を知り、使い方のコツをつかみ、ひとつのトリートメントを完成させていきます。

スペシャリストコースでは、サプライズストーン“NUPUT”を使ったフェイシャルマッサージ、陰陽五行に基づいたストーンワーク、12種類のストーンのオプションテクニックを学びます。

※どちらもHUKKA認定セラピストとしてディプロマが発行されます。

今後の講習につきましてはLAPIDEMアカデミーの公式LINEへお問い合わせくださいませ。

https://lin.ee/YPK5xZH

投稿者プロフィール

Yukie Terashima
Yukie Terashima
Lapidem Tokyo Spa セラピスト&インストラクター

愛知県出身。ヴィセラジャパン、パンピューリジャパンなどを経て、2020年にセラピストとしてラピデムにジョイン。21年5月からはインストラクター業務に携わり、商品開発、トレーニングなど幅広い領域に従事。ライフワークはベリーダンス。