もっと輝くアーユルヴェーダ』Vol.03 アーユルヴェーダの食事法
◎You are What you eat あなたは食べたものでできている?
健康になるために、まず何をしようとしますか?
おそらく多くの方が食べ物を変えようとするのではないでしょうか。
この世の中には体に良いといわれる多くの食べ物があって、テレビやネットなどでも健康に関する様々な情報があふれています。しかしそれらがすべて自分に合うわけではありません。誰かにとっての薬は、別の誰かにとっては毒にもなりえるのです。
まずは自分の状態を知り、自分に合った食事法を知ることが大切です。
体質(ドーシャ)や環境によって食べるべきもの避けるべきものが違ってきますが、その前にまずは基本的な部分をみていきましょう。
◎消化と吸収
体内に入った食べ物は消化され、栄養になるように変換され血や筋肉や骨などに吸収されます。いらないものが尿、便、汗に変換され排出されます。
摂取した食べ物を栄養にするために消化する力をアグニといいます。
アグニとはサンスクリット語で火という意味です。この消化の火が健康な食事にとって不可欠です。アグニがきちんと働かないと、消化されなかったものが未消化物(アーマ)という毒素として体内に残りこれが病気のもとになるのです。どんなに栄養のある良いものを食べても消化できないとそれらは全てアーマとなって体に蓄積されてしまうのです。もったいないですよね。。
「ちゃんと消化して出すべきものを出し、毒素をためない。」
良いものをとることも大切ですが、それよりも悪いものをためこまないことが重要です。
私たちは食べたものでできているというよりも、きちんと消化できたものでできているのです。
◎理想的な食事とは?
食べるタイミングはお腹がしっかりすいたときです。
まだ完全に前に食べたものが消化されていないときには食べるべきではありません。
また、テレビやスマホを見ながらの食事は消化力をさげてしまいます。
食べることに集中しましょう。
そして食べ過ぎないことも大事です。腹八分目にしておきます。
食べた後に満足感がありながらも重たくならない量が理想です。
眠たくなったり動けなくなるほど食べるのは食べ過ぎかもしれません。
できるだけ調理されてすぐのものを食べるようにしましょう。
作り置きは便利ですが、食べ物から得られるエネルギーが減るといわれています。
カロリーや栄養素はとれても、やる気を出す力や心を満たす生命力がなくなっていくのです。
とはいえ、忙しい毎日です。なかなか出来立ての食事は難しいですよね。
無理のない範囲でバランスを見つけながら取り入れてみてください。
あとはできるだけ土地の食材をとること、
そして1度の食事で6つの味を取り入れることも大切です。
6つの味は自分の体質に合わせてバランスよく食べることが重要になります。
まずは6つの味についてみていきましょう。
◎6つの味(ラサ)
甘味、酸味、塩味、辛味、苦味、渋味の6つです。
これらをまんべんなくとること。そうすることで満足感をえられます。
甘味・・砂糖、米、牛乳、サツマイモ、小麦、大麦、ココナッツ、はちみつ
酸味・・酢、ヨーグルト、チーズ、柑橘類、梅干し、トマト
塩味・・塩、しょうゆ、味噌、漬物、昆布
辛味・・しょうが、胡椒、唐辛子、玉ねぎ、スパイス
苦味・・よもぎ、ゴーヤ、ケール、牛蒡、ホウレンソウなど緑野菜
渋味・・豆類、じゃがいも、ブロッコリー、緑茶
難しいようにも思いますが、定番の和食でも十分に6味はとることができます。
例:生姜焼き定食
米(甘味)、酢の物(酸味)、味噌汁(塩味)、豚の生姜焼き(辛味)
ホウレンソウのお浸し(苦味)、緑茶(渋味)
矢印はそのドーシャを増やす↑、減らす↓をあらわしています。
ドーシャがバランスを崩しているときにさらに増やす↑食材をとってしまうと
さらに悪化させる原因になります。
ヴァータ | ピッタ | カパ | |
甘味 | ↓ | ↓ | ↑ |
酸味 | ↓ | ↑ | ↑ |
塩味 | ↓ | ↑ | ↑ |
辛味 | ↑ | ↑ | ↓ |
苦味 | ↑ | ↓ | ↓ |
渋味 | ↑ | ↓ | ↓ |
◎6つの性質(グナ)
また、食べ物には6つの性質があり、この性質をグナと呼びます。
重⇔軽 温⇔冷 乾⇔湿
同じ質をもつドーシャを増やすので、バランスをとるためには反対の質をもつものを選ぶようにします。
ヴァータ・・軽 冷 乾
ピッタ・・軽 温 湿
カパ・・重 温 湿
例:ピッタをバランスさせるなら重冷乾のグナをとる必要があります。
重性 | 牛乳、チーズ、小麦、肉(赤身)、魚、玄米 |
軽性 | 大麦、ホウレンソウ、コーン |
油性 | 乳製品、油、揚げ物 |
乾性 | じゃがいも、豆類、大麦 |
熱性 | 熱い飲食物、スパイス類 |
冷性 | 冷たい飲食物、緑黄色野菜、きゅうり |
これらの6つの味と性質は心や体に大きく影響を与えます。
自分の状態に合わせてこれらを意識してとることで、心身のバランスを保つことができます。
ここまでざっくりと基本的な食事のとり方についてお話してきました。 次回はそれぞれのドーシャにあわせた詳しい食事法についてお伝えします。
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