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ラピデム寺島のセラピストエッセイ

アロマのはなし 第一回〖香りの魅力〗

こんにちは、ラピデムのインストラクター兼セラピストの寺島雪江です。

25年のセラピスト人生で、スパ業界で得たこと、学んだことなど、日本のスパ文化をずっと見てきた私が感じたことや、思うことなどを書いていこうと思っています。

そして今回、ラピデムのメディアを通じて(不定期ですが。。。)連載する機会が巡ってきたので、自分の知見を棚卸しして、まだまだ勉強不足なところは改めて勉強し直してみようと思いますので、セラピストとして、日本のスパ業界に携わるものとして少しでもスパに貢献できればと思います。慣れない文章を紡ぐ作業ですが、誰かの力になればと信じて。

まず、私の愛してやまないアロマについて掘り下げていこうと思います。

人は、外からの情報の大部分を視覚と聴覚から得ているといわれますが、私たちの周りには様々な「匂い」「香り」で溢れています。

そんな、あたりまえのように嗅いでいる「香り」の魅力をお伝えします!

【香りが与えるメカニズム】

嗅覚は生態の進化の過程で最も古い感覚とされ、「原始的な感覚」と表現されます。

五感のうちの他の感覚、視覚や触覚などはいわゆる考える脳である大脳新皮質を介する経路をたどるのと異なり、嗅覚だけが直接、感情や本能の部分の大脳辺縁系にむかいます。

そして、自律神経や内分泌系を支配する視床下部へと伝えられます。

香りの種類によって、交感神経を刺激して緊張状態に備えたり、または副交感神経に作用してリラックスさせたりします。また、内分泌系を介してストレスや免疫機能に作用します。

ラベンダーの香りで呼吸が落ち着いてリラックスしたり、ローズマリーの香りをかぐと頭がさえて勉強がはかどったりするのはこのメカニズムが関連しています。

最近では香りや匂いに関する研究も増えていて、睡眠の質を高める香りも注目されています。(睡眠×香り)

【香りと記憶】

ツツジや金木犀の香りで小学校の登下校のことを思い出したり、すれ違った人の香水の匂いで以前の恋人を思い出したり、誰もが経験したことがあるはず・・・。

香りは記憶と密接な関わりを持っています。

嗅覚が、他の感覚と違いダイレクトに伝わる大脳辺縁系には、感情や感覚的な記憶に関わる海馬が存在し嗅脳と隣接しています。

香りとともに、海馬にインプットされた情景やエピソードや喜怒哀楽の感情までもが、同じ香りを嗅ぐことで記憶の引き出しから蘇るのです。

香りの情報が脳に伝わるまでわずか0.2秒。

考えるより先に感情が動きます。「心地よい」と感じる香りは、一瞬にして心地よい感覚を呼び覚ましてくれるのです。

【香りを纏う】

植物が持つ香りの成分を抽出したものがエッセンシャルオイル=精油です。

エッセンシャルオイルの香りの成分は、嗅覚と感覚に影響を与えるだけではなく自律神経系、内分泌系、免疫系などにも作用し、皮膚、肺などの経路から体内に吸収され生体機能の調整に関わっています。

アロマセラピーは、この香りの成分=精油を用いた自然療法です。

アロマセラピーと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、簡単に、「香り」を味方につけること、まずはシンプルに香りを身に纏うことを楽しんでみてはいかがでしょうか。

自分が「好き」「心地よい」と感じる香りを選び身に纏うことで、リラックスした状態を保ちやすく、心にゆとりができ、前向きになれたり自信がもてるようになるはずです。

自分のタイミングで香りを楽しむことができ、いつも持ち運べる香水は取り入れやすいアイテムです。天然のエッセンシャルオイルを使っている香水も増えていますね。

「香り」は人の記憶に残るだけではなく、魅力的な印象を周りに与えることにも役立ちます。

香りが周りの人にも与える影響はもちろんのこと、好みの香りを身に着けることでイライラすることが減り、生き生きとした表情や華やかな笑顔が多くなり、「また会いたい」と思わせる魅力的な印象にも繋がるのです。

《幸せのレシピ》

「香りの女王」「香りの王様」と呼ばれ愛されている香り、ローズとジャスミンをベースにした幸せを感じる香りのブレンドレシピをご紹介します。

このブレンドは、ラピデムトウキョウスパの“Aging Smile Ritual-若返りの儀式-”のプログラムでも使っている香りです。

“美しさの象徴”とも言われ、クレオパトラやナポレオンの妻ジョセフィーヌなど、古くから女性に愛されてきたローズの香りは、思いやりやスキンシップで分泌が促されることから「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンや、副交感神経の働きにも関わるセロトニンの分泌を促し、優しい気持ちを生みだします。

一方のジャスミンは、ヒンドゥー教の女神がハートを射止めるためにジャスミンの精油を塗った弓を持っていたとされ、古くから媚薬としても使われてきました。瞑想や禅の境地に達したときや、アスリートがゾーンに入ったとき分泌されるというエンケファリンや、やる気や達成感をもたらす「快楽ホルモン」のドーパミンの分泌を促すといわれています。

ローズブレンド

・ローズアブソリュート  1滴

・イランイラン  1滴

・パルマローザ  1滴

・ラベンダー  2滴

・ビターオレンジ  4滴

ジャスミンブレンド

・ジャスミンアブソリュート  1滴

・サイプレス  3滴

・ベルガモット  6滴

*スプレー容器(30ml)に植物性エタノール15mlとブレンドレシピの精油を入れてよく混ぜ、水を15ml加えたら完成です。20㎝ほど離して髪にスプレーしたり、下着につけたり、衣服で隠れている肌につけておくと、ふとしたときにほのかに香りを楽しめます。

《バス&マッサージオイル》

ラピデムのバス&マッサージオイルは、東洋医学の陰陽五行説の思想に基づき5種類それぞれ異なる香りをブレンドしています。

毎日の気分や体調に合わせて選べ、髪、肌、体のどこにでも使えるマルチオイルです。

それぞれ3種類ずつ精油がブレンドされているので、好みの香りのオイルで毎日ケアをすることで気軽に「香りを纏う」ことができます。

外出前、ドライヤーや髪をまとめるときに少量を髪になじませたり、ネイルオイルやリップオイルとしての使用は香りを楽しむ方法としておすすめです。

夜のケアでは、シャワーや入浴後にまずは1プッシュ手にとって鼻の近くで香りを吸い込んだ後、全身やお顔に塗ってスキンケアに。マッサージをすることで長時間香りも楽しめます。

【香りの魅力】

日常の中で、見たり聴いたりすること以外に、私たちのもつ原始的な感覚=嗅覚から得られる情報は心と体にさまざまな影響を与えています。

この、嗅覚からの情報をコントロールしてくれることが、「香り」の持つ最大の魅力だと感じています。

「香り」で「幸せな感情」に出会う感覚を知ってしまうと、やみつきになります(笑)

参考

アロマと嗅覚、そしてストレス | 生物学科 | 東邦大学

https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/035599.html

③においの役割(嗅覚の役割) | においに関する知識,技術資料 | 公益社団法人におい・かおり環境協会

投稿者プロフィール

Yukie Terashima
Yukie Terashima
Lapidem Tokyo Spa セラピスト&インストラクター

愛知県出身。ヴィセラジャパン、パンピューリジャパンなどを経て、2020年にセラピストとしてラピデムにジョイン。21年5月からはインストラクター業務に携わり、商品開発、トレーニングなど幅広い領域に従事。ライフワークはベリーダンス。