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睡眠 / Sleep Vol.9 「睡眠」×「音」

これは本当に買ってよかった!と思うもののひとつに、Bluetoothスピーカーがあります。

好きな音楽を、自宅でも臨場感のあるサウンドで楽しみたいと思ったのが購入のきっかけでした。

そして、今夜はぐっすり眠るぞ!という夜の入眠アイテムとして、わたしを極上のまどろみへ導きます。

【睡眠と聴覚の関係】

あたりまえですが眠るときも開きっぱなしの耳。

そこから聞こえてくる「音」。

音は空気の振動によって耳から入り、その情報を電気信号に変えて脳に伝わって「音」として認識されます。

人の脳は眠くなるとアルファ波という脳波が出ます。覚醒と睡眠のあいだの状態。そして、このアルファ波が増えると聴覚が敏感になるといいます。

これは動物としての本能によるもので、眠る前に自らの命の危機となりうる怪しいものは周囲にないかを最終確認するための機能といわれています。

布団に入ると普段は気にならないような物音が気になったりうるさく聞こえたりするのはこのためで、身体が眠るまえの準備にはいったサインなのです。

【睡眠と音】

眠る前のわたしが、この研ぎ澄まされた聴覚の状態でスピーカーで聴くのは好きなアーティストやバンドの音楽というよりは、ひたすらに“心地の良い音”を選びます。

スローテンポのインストゥルメンタル、また美しく豊かな情景が思いうかぶような自然音。

水のせせらぎや流水音、風が葉が揺らす音、熱帯雨林の虫や鳥の鳴き声、羽音、様々なバリエーションの雨音、薪が燃える焚き火音など。

これらの音には「1/fゆらぎ」という特性があり、実は、私たちの生体リズムも同じ「1/fゆらぎ」を持っています。

規則的に思える心拍の間隔も、呼吸や、血圧の変動、一定に叩いてるつもりの手拍子も「1/fゆらぎ」のリズムです。

そして、リラックスしているときに出るアルファ波の周波数のリズムも「1/fゆらぎ」といわれています。

不規則な音の周波数が心拍などの生体リズムと共鳴し、本能から心地よく快適に感じるのだと思います。

“心地よい音”を聞いているうちに身体は脱力していき、思考はだんだん途切れ途切れになり、あ〜眠りに落ちていくなぁ〜とぼんやり思っているこの時間は、なんとも幸福なのです。

ただし、朝までずっと音を聴きながら眠るのは良質な睡眠の妨げになります。

スピーカーは、1時間ほどで切れるようオフタイマー設定をしています。

深いノンレム睡眠、浅いレム睡眠を交互に繰り返し眠る私たち。

ノンレム睡眠時は音に対しての反応は低くなるのに対して、レム睡眠時はなんと起きている時と変わらない聴覚で音が聞こえているそうです。

つまり睡眠中も、耳は周囲の音を随時キャッチし脳に情報を伝えています。

私自身、タイマーをかけ忘れ音楽をかけたまま眠ってしまった夜、おそらく2時間後ほどに目が覚め「ウルサイなあ」と不快に感じた経験があります。つい数時間前は、ここは天国か…と思うほど心地よかった音なのに。

快も不快も脳のジャッジ次第ですね。

眠気をかんじてから眠りにおちていくまでの特別な時間。

脳がとろけていくような、心地良いまどろみへのわたしのルーティンです。

参考文献:

「サウンドデータにおける 1/fゆらぎ周波数の抽出」菅井桂子 齊籐兆古

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacc/51/0/51_0_57/_pdf

「1/fゆらぎと快適性*」武者 利光

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasj/50/6/50_KJ00001456961/_pdf

「レム睡眠期のヒトの音環境モニタ機構に関する研究」高原 円

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/2/25785/20141016152540332928/StudHumSci_1_123.pdf