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精進料理
LAPIDEM ラピホリ 若返りは食事から

【精進料理×サステナブル】

精進料理と聞くと、皆さんはまず何を思い浮かべますか?

お肉やお魚を使わない料理だったり、いくつかの赤い器が足付きのお膳に乗っているのを想像しますよね。 

早々に余談ですが、なぜ赤い器が使われているのでしょう?

それは、朱塗りの器が用いられるのは、仏教の教えを色で表した五色のうち、赤が血や命の色で、仏教の修行に励む「精進」を意味しているからと言われているのだとか。

 

今回は日本古来からある精進料理と、数年前からよく耳にするサステナブルの深い関わりについて深掘りしていきたいと思います。

まず精進料理の始まりについて。

鎌倉時代、中国・宋で禅宗を学んだ日本人の僧は、禅の教えとともに揚げたり煮たりするなど、様々な調理法を持ち帰りました。

また食材に敬意を払って無駄なく使い切るという心構えや、音を立てて食べないといった食の作法も日本に伝えました。

これは「食事を作ることも食べることも修行のひとつ」という教えによるものです。

現在の日本の精進料理は、こうした調理法や作法を元に発展したものと言われています。

そもそも「精進」は、雑念を去り、仏道修行に専念すること、肉食を断って菜食にするなどの意味を持つ言葉です。

お肉や魚を一切利用せず、植物性の野菜類、穀類、海藻類、豆類、木の実、果実などが精進料理に使われています。そして仏教の戒律でも「殺生=生き物を殺すこと」や「煩悩=人に備わる欲求」を避けるように厳しく定められています。

(※以前の投稿で『精進料理×精神』についてお伝えしているので、ぜひこちらもご覧ください。)

  ↓ 

【精進料理×精神】 – LAPIHOLI ラピホリ

 

では、サステナブルとは?

皆さん何となくご存知だとは思いますが、日本語にすると『持続可能な』という意味です。

持続可能とはすなわち、「ずっと保ち続けられる」ということ。

今さえ良ければいいという考えではなく、私たちの生活や自然環境が未来までずっと保ち続けられるようにという目的があります。

そもそもサステナブルな社会を目指すようになった背景には、産業革命によって人々が豊かさや利便性を得る代わりに環境破壊が進んだと言っても過言ではありません。

では、本題に。

精進料理とサステナブルの深い関わりについて。

世界で生産される食料のおよそ3分の1が廃棄されているフードロス問題があります。

一方で、世界には飢餓や貧困に苦しむ人たちがいます。

その中でも日本古来からある精進料理の考えは、最近のSDGsやサスティナビリティの流れによって始まったことではなく、日本古来からの“もったいない”という精神の現れです。

丁寧に下ごしらえし、食材をムダにすることなく皮や根まで使い、今でこそ、野菜くずを活用した出汁のベジブロスが注目されていますが、精進料理では昔から当たり前のこと。

現代社会が抱えるフードロス問題を根本から解決してくれる理にかなった誇らしい料理なのです。

また、肉魚の摂取を控えることによりサステナブルに大きく貢献します。

例えば、家畜のげっぷによる温室効果ガスを減らし、放牧のための森林伐採が防げます。

そして家畜の飼育にかかる莫大な水や飼料も減らせます。

だからと言って、「動物を食べるのをやめます!!」で解決するほど簡単な問題では無い。

禅語には「無分別(むふんべつ)」という言葉があり、どんな料理でも区別せずに、ありがたく頂く気持ちの大切さが説かれています。

持続可能な社会を目指すためには、私たちひとりひとりが現状を知り、『食材を無駄にせず、残さず食べること』など、まず簡単に出来ることから始めていきましょう!

 

参考文献

・グリーングロワーズ:食材から考えるサステナビリティhttps://mygreengrowers.com/blog/thinking_about_sustainability_through_food/